西島秀俊さん主演の「ドライブ・マイ・カー」。日本映画62年ぶりにアメリカの「ゴールデングローブ賞」を受賞しましたね。
英語圏のアメリカで日本語の映画が評価された主な理由は使用言語の多様性だそうですね。9つの国の人種が登場し9つの言語が出てくる。あらゆる人種が字幕を通して映画を鑑賞する必要があり、それゆえに場面をわかりやすく見せることで言葉が聞き取れなくても理解できるように工夫が凝らされているそうですね。
ここに私たち日本人でも大人になって英会話を楽しむヒントがあります。
長い間、英語を学んでいるのに使える英語が身につかなかった理由は、今までの英語学習法によってついた二つの悪い癖=生活習慣病のようなものが原因です。
私たちは中学高校の受験英語で「文字を見ながら」英語を学ぶ学習法に触れてきました。いつも文字を絡める学習法なので「英文を見ないと英語が聞き取れない、話せない」脳の習慣から抜け出すことができなかったのです。
その後、社会人になってからは「フレーズ暗記型」の学習法に切り替わりました。セリフを暗記していれば聞き取れて話せるようになるはず・・・と思いながら学習を重ねてきました。日本語で今まで一切セリフを暗記した経験などなく会話を楽しんできたことを考えてみると、役に立たない学習法を長年続けてきたことになります。
このやり方でも英会話を楽しめるようになるはずはありません。
では、どうしたら英会話が身につくのか、というと、英語を話す環境に身を置くしかない、という人もいますが、英語圏で生活した経験のある人でさえも日本に帰ってきてしばらくたつと英語が話せなくなるという現実から考えると、英語圏に行ったっきりになるしか方法はないように思えますが、それは多くの日本人にとって現実的ではありません。
その一方で日本で普通に生活しながら英語がペラペラになった人もいるわけですから、やり方次第では英語が話せるようになる可能性があるわけです。
では、どうすればよいのでしょうか。
物事の本質は意外とシンプル。そもそも会話は基本的には音のやりとりですから、英会話を本当に楽しみたいのでしたら、学習法を音中心に切り替えればよいのです。とは言え赤ちゃんでもあるまいし今さら音だけで言葉を身に着けるのは無理がありますよね。
そこでヒントになるのが、場面をわかりやすく見せることで言葉が聞き取れなくても理解できるように工夫が凝らされている「ドライブ・マイ・カー」です。
つまり「場面を通して英語を音のまま理解する」ことが大切になってくるわけです。
日本には漫画という、素晴らしい文化があります。漫画を英語では「Cartoon」と訳しますが、「Cartoon」は英語圏ではスヌーピーのような4コマ漫画のこと。日本の漫画のようにコマ送りのイラストを通してストーリー形式の漫画は、英語では特別に「Graphic Novel」(視覚的小説)と呼ばれている特別なものです。
この漫画ストーリーを使って英語を音だけで聞いて真似る練習を通して、今度こそ使える英語を身につけましょう。
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