『マンガENGLISH』はマンガと英語のフレーズを同時にインプットすることにより、訳さずに英語のまま理解する「英語脳」を育成するプログラム。英語のフレーズと、その意味内容を表すマンガで、ネイティブスピーカーのように自然に英語を身につけることができます。

海外の経験ないのに英語ペラペラ

英国の作家で政治家でもある
ジェフリー・アーチャー(Jeffrey Archer)の短編集
『12本の毒矢』(A quiver Full of Arrows)に

「ハンガリー人の教授」(The Hungarian Professor)
と題する話があります。

作者の実体験がもとにした小説と言われていて

海外に一度も行ったことがないのに
英語がペラペラのハンガリー人が登場します。

イギリス人で大学生の主人公が

当時、共産主義国家であったハンガリーの首都
ブタペストで行われた
国際学生スポーツ大会に参加し

その会場で
ハンガリー人の老教授と出会うことから始まる物語です。

この老教授は英語・英文学を専門とし
素晴らしい英語で主人公に話しかけます。

教授 “I hope you didn’t mind my asking?”
(話しかけてもよろしいでしょうか)

主人公 “Of course not.”(もちろんです)

教授 “It’s just that I have so little opportunity to converse with an Englishman. So when I spot one I always grasp the nettle. Is that the right colloquial expression?”
(英国人とお会いする機会がほとんどないので、お見掛けすると何とかその機会を逃すまいとしてしまうのです。この言い方で正しかったですかな?)

このハンガリー人の教授は語彙やことば選びだけでなく発音も素晴らしく

主人公のイギリス人が “For the first time, his pronouncement faltered as ‘hail’ came out as ‘heel’”.(はじめて彼の発音が訛り“Hail”となるべきところが“Heel”と聞こえた)と

たった一か所の訛りを強調するほど他の発音は完ぺきだったわけで・・・。

その後もしばらく会話が続いた後で

教授 “How long are you staying in Budapest?”
主人公 “The rest of the week. I return to England on Sunday.”
教授 “Could you spare the time to join an old man for dinner one night?”

とディナーに誘い、約束の日道に迷って遅れてきた主人公が

“I’m sorry to be late.”と詫びると
“No matter, my own students also find me hard to find the first time.”
(気にしないで、私の生徒たちも最初はなかなか探せないんだ)

と言った後で
“Bad to use the same word twice in the same sentence. ‘Locate’ would be better, wouldn’t it?”
(一つの文中に同じ単語は使っちゃいけないんだったね。“locate”くらいの方がよかったかね)と

英語の運用ルールにまで言及するので

主人公のイギリス人は(この教授には、きっと長い留学経験があるんだろう)と思っていると

小説の最後のページで

“I have never been outside Hungry in my whole life.”
(私は今まで一度も国外に出たことはないんだよ)

驚きの結末を迎えるのです。

一説によると、この小説は
作者の実体験をもとにしているそうなので

留学体験
生活体験もなく
ダーリンが外国人でもない私には

とても勇気づけられるストーリーでした。

短編集なので読みやすいです。

学校やお仕事がお休みの日にでも
ぜひ読んでみてはいかがでしょうか?

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