『マンガENGLISH』はマンガと英語のフレーズを同時にインプットすることにより、訳さずに英語のまま理解する「英語脳」を育成するプログラム。英語のフレーズと、その意味内容を表すマンガで、ネイティブスピーカーのように自然に英語を身につけることができます。

バイリンガルにはできないこと一つだけ

この情報化社会における
日本人の英語教師の役割について考えます。

なぜ「情報化社会」と限定したかというと

ここ10年で学校や英語教室や塾などの

日本人英語教師の役割が
大きく変わってきていると思うのです。

たとえば

かなりさかのぼって50年以上前は

英語の先生はすごく尊敬されていました。

英語を知っている人
英語に触れられる人が限られていた時代。

英語という情報を持っている人は
限定的だったから

その情報・知識を持っているだけで
貴重だったんですね。

25年くらい前から

中学や高校にALTという
外国人の英語教師が派遣されるようになり

知識としての英語ではなく

道具として使っている人たちの知見も
取り入れられるようになりました。

生徒たちからは大人気の外国人教師たちでしたが

日本人の英語教師の立場に
影響を与えるようなことにはなりませんでした。

その理由はALTたちのほとんどが
日本語があまり上手でなかったり

ましてや
日本の英語教育に精通していなかったりで

「英語をわかりやすい日本語で説明できる」
日本人の英語教師が関わらなければ

学校の英語の授業は成り立たなかったからです。

また当時は留学経験のある英語教師は

留学経験があるだけで
特別視されていた時代でもありました。

ところが10年位前になると

若い英語教師たちの間では
留学経験を持つことは珍しくなくなり
特別視されることもなくなってきましたが

それでもやはり教室のおける英語教師の立場は

「英語をわかりやすい日本語で説明できる」ことで
守られていたのです。

そして情報化社会のいま

英語という情報は

海外に住んだ経験がなくても
誰でも簡単に手に入る情報となりました。

ネット上、特にYouTubeに

多くのバイリンガルたちが

流暢なネイティブ英語と
わかりやすい日本語での説明で

10年位前までなら

英語圏に行かなければ聞くことができなかった
生きた英語フレーズを

次々と紹介しています。

ひと昔前なら留学を経験した人か
身近に英語ネイティブがいないと
わからなかったような情報が

無料で公開されている時代。

生徒たちからしたら

別に先生から習わなくても
スクールに行かなくても簡単に手に入ります。

たとえば英語のテキストに

“How are you?”
“I’m fine, thank you.”

と定番のダイアローグが登場する。

昔の子どもたちなら
素直に受け止めてくれましたが

たとえば、もし子どもたちの中に
この動画を見ていた子がいたなら

クリック⇒ アメリカ人は「How are you?」にどう答えるか

「先生、“How are you?”の返事は
“I’m fine, thank you.”とは限らないんだよ」

なんて言ったりする可能性は
十分にあるわけです。

もちろん教えるときの下調べには便利ですが
生徒たちにとっても簡単に手に入る情報なので

知ったかぶりで話していたら
生徒たちも知っていた

ということも十分にあり得ます。

便利な世の中でもあり、やりにくい時代でもあるのです。

では今後

日本の英語教育は
彼らバイリンガルが担っていくのでしょうか?

バイリンガルにはできないことが一つだけあります。

バイリンガルというのはご存知の通り

英語も日本語も生活上必要で
使いながら身につけてきた人たちです。

私たちのように

一つの言語が確立されてから
後付けで外国語を習ったわけではありません。

だからバイリンガルたちは

「どうしたら英語が話せるようになるか」
具体的な学習ステップを示すことはできません。

私たちにはそれができます。

そのためにはまず
私たち自身が英語を話せるようになること。

日本語と同じように

特に前もって準備していなくても
話したいことがすっと口をついて出てくる状態

その英語力を

バイリンガルたちは生活の中で
自然に身につけてきたけれど

私たちは日本語で普通に生活しながら

いかにして時間を作り

学習スタイルを確立し
日常生活の中で習慣化して
英語がぺらぺらになったか

その体験を日本人に教えられるのは

英語ネイティブでもなく
バイリンガルでもなく

苦労して後付けで英語を身につけた
私たち日本人だけなのです。

今はあんなにペラペラのバイリンガルたちも
幼いころは

自分の耳を使って
おとなのナチュラルスピードの連続音から
自分で単語を切り出して

活舌が悪くても
発音がクリアにできなくても
自分の口で音をまねる経験をしています。

そのプロセスをすっとばして

完成されたフレーズだけを暗記しようとしても
すぐに忘れてしまう短期の記憶にしかなりません。

自然な音を聞いて

すっと入ってきた音を自分の耳でとらえて
印象に残ったものを口まねする

英文テキストを使わなくても聞き取れて
英文テキストを読み上げなくても音が再現できる

この経験なしで
ことばを自由に使うことはできません。

これはどんな言語にも共通のステップです。

まずは私たち自身が使える英語を身につけましょう。

そしてその習得プロセスを
わかりやすく示すことができるのは

英語ネイティブでもなく
バイリンガルでもなく

苦労して後付けで英語を身につけた
私たち日本人だけなのです。

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