単語より、文法より大切な Discourse とは

宇多田ヒカルさんといえば
アメリカ生まれアメリカ育ちで
英語がペラペラ

というイメージを
皆さんお持ちかと思います。

7~8年前に
宇多田さんの全米進出が
話題になったことがあり

その当時
アメリカのメディアにも
出ていらっしゃいました。

その時の映像がまだ
YouTubeに残されていましたので

今日はそれをいっしょに
見てみましょう。

4:30 のあたりから注目してください。

女性キャスターが朝早く
スタジオ入りしたときにすでに
宇多田さんのファンが
スタジオの外に集まっていたことを
話題として取り上げます。

そしてアメリカで生まれ育ったヒカルさん
歌手としては日本では有名ですが

アメリカでも
たくさんのファンが集まっていることに
驚きを隠せない様子でインタビューをします。

What’s your secret of your success?
(この成功の秘訣をあなた自身はどう思っていますか)

と女性キャスターに質問された
宇多田さんの答えはなんと

宇多田さん:I have no idea.(わかりません)
If I know it, I’m telling you.
(もし、知っていたら話したいです)

もったいないですね。。。

宇多田さんの答えはおそらく

日本人にはありがちな
(「成功の秘訣は」聞かれた際の)

照れとか、気恥ずかしさなど

言葉にはできない率直な気持ちを
表現したもので

日本では受け入れられるかもしれませんが

残念なことに英語での答え方としては
受け入れられません。

実際、このインタビューで
二人のキャスターは

宇多田さんの答えを
いったんは笑いで流しますが

男性キャスターがすかさず
“But you have something.”
(でも何かあるでしょう)と食い下がり

ベテランの女性キャスターは
「歌で言いたいことを表現しているのよね」

などと言ってフォローをしてくれたのに

その後の宇多田さんのコメントは

「みなさんに共感していただけてうれしいです」
というようなコメントに終始しています。

すると女性キャスターはすかさず、まるで
(これ以上この子と話していてもしょうがないわ)
というような表情で

男性キャスターを伴って
スタジオの外へ出てしまうのです。

発音もきれいで文法もしっかりしているのに
もったいないですよね。

言葉には発音や文法よりも
もっと大切な要素があります。

それは「自然な話し方」です。
談話=discourseディスコース)と言います。

言語によって自然な談話には
それぞれ特徴があります。

日本語では

自分の発した言葉を
相手がどう思うか

を念頭に置いているのに対し

英語では

自分が何を伝えたいのかを
基本としているので

英語を話す時には
相手が自分のことをどう思うか、よりも

自分が何を伝えたいか
を大事にした方が伝わりやすくなります。

例えば、もし私が宇多田さんだったら
What’s your secret of your success?
(成功の秘訣はなんだと思う)という質問に対して、

自分の生い立ちを背景に
こんな風にアピールしたいです。

I was born and raised in New York. My first language is English. My parents, they are Japanese, talk to me in Japanese. I am immersed in two cultures, speak two languages. The two languages support, reflect, and complement each other. That makes my songs win sympathy of many.

(私はニューヨークで生まれて育ちました。ですから私の母国語は英語です。その一方で私の両親は日本人ですから日本語で私を育てました。つまり二つの文化に浸り、二つの言語を話します。二つの言語が互いを支え合い、反映し合い、いい感じにバランスが取れています。それが私の歌に多くの人が共感してくれる理由かなと思います。)

宇多田さんはご両親が日本人で
家庭内では日本語を話していたので
母語である日本語の談話をベース
英語を話しているのでしょう。

私たちの環境も似ています。

私たちが今までに触れた英語は

学校の教科書や
英会話のフレーズ本など

そのほとんどが

日本語で書かれた原稿や素材を
英語に訳したものが多かったので

英語の談話の経験
まだまだ足りません

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