知識はあるのに使えない

英語が話せるようになりたければ英語を話す練習から始めるのが一番の近道です。特に英語の場合、私たちは中学・高校で受験のために約6,000語の英単語を暗記し(ようとし)た経験があります。一方の日常英会話では英語ネイティブ同士でさえも、たったの3,000語程度でコミュニケーションが成り立っています。

つまり語彙数は十分にあるのに未だに英語が聞き取れないし話せない。文字で読めばわかるのに音で聞き取れないし話せないのです。知識はあるのに使えないなんて本当にもったいない話です。

英語も音だけで何とかしようとする脳の働きを育てましょう。先ほどアップしたYouTube動画で具体的にご紹介しています。

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英語を暗記できるのに自由にしゃべれない

英語のプレゼンで前もって準備した英文は暗記して一通り話すことはできるのに、そのあとのQ&Aやパーティーでのテーブルトークなどで、準備の無いことを質問されたり話しかけられたりすると、うまく言葉が出てこない、という経験、ありませんか?

けっこう長い英文を暗記できる英語力があるのに、簡単な日常会話でつまずく、というのは、実は上級者によくある悩みです。

スラングやローカル言語、世代間のギャップなど、語彙の違いが原因という事も、もちろんありますが、もっと根本的なところで、母語話者は滅多にやらないことをやってしまっているんですね。

それは、言葉を話す時に、日常会話の場合、話しながら考える、あるいは、かんがえながら話す、というのが普通です。ところが暗記したものを話す時はどうでしょう。暗記したものを再現しているのですから、英文を思い出す、という脳の働きがメインです。英文を作ることは、その場では必要ありません。むしろやらない方が良いですね。混乱してしまいますから。文を作るのは原稿を書いているときです。だから、考える時と、話す時が、別々という状態です。これをいくら重ねても、もちろん、原稿を作る時には考えて英文を作っているわけですから、多少は言えることは増えていきますよね。でも、なかなか実践力にはなっていかないわけです。もったいないですよね。まわりからは英語できると思われちゃっている。英語の文章を自分で作ることが出来てそれを暗記することもできる。それなのに、自由にしゃべれない。実はご本人は周りからいくら褒められても不満であり不安なわけです。では、どうしたらいいのか。

前もって準備した英文を暗記する、という学習法を続けているうちは自由に話せるようにはなりません。例えば外国人の方とフリートークをすることがあるでしょう。その場合は暗記したフレーズを思い出してそのままぶつけるか、受験英語のように頭の中で英作文をするか、どちらかの話し方になるわけです。そうすると、イディオムや映画の中で習得したスラングは、スッと口をついて出てくるのに、一方では、英作しながら話す時には、考えながら話すので、時間もかかるし意味不明なことも言ってしまったりする。この言わばでこぼこな話し方から、もう少し自然な話し方にするためには、普段から、思いつく英語の音を出して必要に応じて後から修正を書ける、というネイティブと同じ話し方を練習すればよいのです。

マンガENGLISHでは、漫画イラストを見て思いつく英語の音を出してみる、という練習ができます。よくある学習法で日本語の命題を見ながら英語を話す練習をすると100%訳すという作業に入ってしまいます。話しながら考える、考えながら話す、という、日本語では当たり前にやっていることを英語でも脳に経験させてあげてください。英語で考えてからでないと話せない、となってしまうのは、受験英語による生活習慣病のようなもの。毎日の体質改善で、今度こそ使える英語を身につけましょう。私たちは受験英語のおかげで、日常英会話で頻繁に使われる3,000語をはるかに上回る6,000語を習っています。あとは使える状態になるまでブラッシュアップをしていきましょう。

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英語力はあるはずなのに、どうも会話が盛りあがらない

英語で話すとき、注意する点は様々にありますが、けっこう見落とされがちなことが会話の方法が英語と日本語では違うということです。

英語力はあるはずなのに、どうも会話が盛りあがらないという人は特に、この違いを認識すると格段に会話力があがります。もちろん、ケースバイケースではあるものの、知っているのと知っていないのとでは段々と差がでてきますので、あらかじめ確認しておきましょう。

  • 英語ネイティブは同意ではなく意見を求める

日本語の場合、相手が言ったことに対して「そうだよね~」「わかるわかる」といった同意する相槌をよく打ち、逆に同意できないなと感じると、話題を変えたり曖昧に流したりします。それが日本の聞き上手です。ところが、英語でこれをやると、会話が終わってしまいます。

というのも、相手は自分の話したことに対して、”I see.”や”You’re right”とだけ言われることを期待しておらず、その先にあるエピソードを求めているからです。”I see.”のあとに話を続けないと、相手としては「あれっ?」と肩透かしをくらった状態になります。

あの気まずい沈黙の意味はそういうことなのです。相手の話を聞いたら、それに関連して、同意するならばその理由となる自分の経験や意見を話さなくてはなりません。もちろん同意しなくてもよいのです。それならばそれでその理由やエピソードを言えばよいのです。それでこそ会話が成り立つのです。

  • 大切なのは理解を深める意見交換

勘違いしてほしくないのは、同意をしてはいけない。ということではありません。人と人との付き合いの中で、お互いの意見や考えがわからない相手とは信頼関係が築きにくいということ。会話のキャッチボールが成立しにくいことを理解しておきましょう。

「外人は自分の話ばっかりして、人の話を聞かない」という人がいますが、自分の話をしっかりして、自分はこういう人間なんだ。こういう考え方をもっているんだよ。という意思表示がコミュニケーションにおいてはとても大切です。

  • 必要なのは説明力

英語ネイティブは子どものころから「Wordless Picturebook」(文字の無い絵本)を使って、絵を見ながら「いつ、だれが、どこで、何を、なぜ、どんな風にするのか」などを説明できるスキルを身につけています。

英語ネイティブでさえ、訓練をしてあのように話せるようになっているのです。絵本は子ども用なので、おとなの私たちは漫画を使います。文字やセリフの無い漫画ストーリーを使って説明力を身につけましょう。

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学校やスクールでは話せるようになったのに、リアルな会話でつまづく要因の一つ

マンガENGLISH100タイトルのユーザー様
サポートレッスンで
私が「英語で何か言ってみましょう」と申し上げたら
折り紙がお好きな方がいて

その方が「好きな折り紙のことを英語で」とおっしゃって
究極のテーマを選んでくださったなぁと思いました。

YouTubeで「Origami(折り紙)」で検索すると
登録者数が最も多い「Jo Nakashima」さんという
日系ブラジル人のサイトがまず目につきます。

ここをクリック→ YouTube動画「折り紙」

コメント欄での彼の英語を読むと
第二言語レベルでは英語も使える人のようですが
動画ではしゃべらずに
ひたすら折り紙を折っているところを動画に撮っています。

その理由は
折り紙を折る際に言葉での説明は必要ないからです。

何を作ったのかも見ればわかりますので
その説明も本来は必要ありません。

言葉では本来説明の必要のないものほど
あえて言葉を使う意味があります。

さきほどの会員様に「これは面白いテーマを選びましたね」と私が申し上げると不思議そうな顔をしていらっしゃいました。なぜなら、その方が英語で言いたいのは、

「これ知ってる?折り紙よ。見てて。今から私が折り紙を折ります。簡単ですよ。遊ぶこともできるんですよ。」・・・

こういうことだったそうです。

“Did you know this? It’s Origami. I’m folding this sheet of paper. It’s easy. You can play with it.”

あぁ、いかにも学校やスクールで教えてくれそうな英語です。

酷い言い方でごめんなさい、でも実は、この方だけではなく、多くの英語学習者の方々が

まず日本語で考えて、その日本語に合う英文を作るために、単語を文法的に正しく並べること

これをゴールにして日々がんばっていて、いざリアルな英会話の場面で「子どものような英語」と笑われたり、「だから何?」という顔をされたりして、「何がいけないの?」と悩んでいらっしゃるのです。

実はこれが、学校やスクールでは結構、話せるようになったのに、リアルな会話でつまづく要因の一つです。

見ればわかるようなこと、当たり前のこと、自分には興味がないことなどを、どんなに一生懸命に言葉にしても、リアルな会話で、英語圏の人たちは「だから何?」という感じになってしまいます。

その理由は英語という言語は
長い歴史の中で
意見を述べる言語として発達してきました。

主語を明確にする必要があり
動詞の時制と態を変えることで気持ちを表現する

という言葉のルールは

主観と客観を言葉の表現上で明確に区別をすることで
発信者がある事象をどう認識しているかを
言葉で明確にしないといけない言語なのです。

これは英語に限らずヨーロッパの他の言語にも
共通してみられる特徴です。

だから欧米人は議論が好きです。その理由は
ある事象に対する自分の認識と他者の認識を比較検討しやすい
言語形式を持っているからです。

ちょっと話が抽象的になりましたが、先の会員様の話に戻りますと、私からの「何か英語で言ってみましょう」の問いかけに

せっかく好きな折り紙のことで “Did you know this? It’s Origami. I’m folding this sheet of paper. It’s easy. You can play with it.” と言ってくださったのに

私が「う~ん、そういうことではなくて、何かご自身の経験とか、その経験から感じたことなどは、ありませんか?」

と問いかけると、不思議そうな顔をされながらも

折り紙をよく持ち歩いていて、たまたま電車の中でぐずっている子がいたりすると目の前で折って見せてあげる。初対面の子でも泣き顔がどんどん笑顔になっていく、というお話をしてくださいました。

そこで私が「本当はそういう話を英語でしていただくといいんですよね」と申し上げると、不思議そうな顔をされました。

そりゃそうですよね。言葉は人それぞれ自由です。何を言ったってその人の自由なのですから、他人からとやかく言われる筋合いはないわけです。でも、リアルな会話でお互いに対等な場合は、見ればわかるようなこと、当たり前のこと、自分には興味がないことなどを、どんなに一生懸命に言葉にしても、英語圏の人たちは「だから何?」という感じになってしまうのも現実です。私としては、それをわかっていて知らんぷりもできないのです。小姑のようで申し訳ないのですが、マンガENGLISHのユーザー様は他人とは思えないので、どうしてもお伝えしたかったのです。

それは英語という言葉の特性であり、英語ネイティブの言葉文化なので、外国人である私たちにはどうしようもないことなのです。

じゃあ、どうした良いのか、というと

あなた自身の経験と
そこから得た実感を言葉にしてください、ということ。

あなた自身の体験とそこから得た実感を言葉にすることは
英語という言語では、すごく相性が良いのです。

ちなみに英語ネイティブが折り紙について、人とは違うことを言葉で表現している動画を見つけました。

「TED」というプレゼンテーションを楽しむための、ショーのような場面でのトークなので「全然、参考にならない!こんなの無理!」ってハードルが高く感じられるかもしれませんが

参考にしていただきたいのは
こんなふうに人とは違う視点を言葉にするのが英語なのです。

よくもまぁ、折り紙で、こんなにも話すことがあるもんだ、という感じですが、このスピーカーの方は建築家だったというだけあって、リサーチ力も分析力も半端ないので、この人の英語をまねてください、という意味ではありません。

私が伝えたかったのは
これからは、もし、せっかく英語で話すのでしたら

見ればわかるようなこと、当たり前のこと、相手の興味の有る無しに関わるようなことでは無く

あなた自身の経験と
そこから得た実感を言葉にしてください、ということ。

あなた自身の体験とそこから得た実感を言葉にすること
英語という言語においては、すごく相性が良いのです。

たとえば先の会員様の例であれば

電車の中でぐずっている子がいたりすると
目の前で折って見せてあげる。

そうすると初対面の子でも
泣き顔がどんどん笑顔になっていく。

という体験をお話ししてくださいました。

すてきですよね!
こういう体験を言葉にすると良いのです。

だから、もし私が彼女だったら
まずは簡単な英語でこんなことを話したいです。

“I love Origami – paper folding. When I see a child who is crying, I fold the sheet of paper in front of her and give it to her. It makes her smile and me as well.”(折り紙っていいわよ。泣いてる子も目の前で折ってあげると笑顔になるの、もちろん私も)

英語を話す時に日本語で考えて訳しながら話す話し方をしている間は、英語では受け入れられない発想の英文を作ってしまいます。

つまり日本語の発想のまま
いくら英単語を文法的に並べても

「だから何?」という英語になってしまって
もったいないのです。

先日のレッスンでも話題になりました。
こちらの動画でお話しています。

 

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「映画の見どころは?」もったいない英語

海外で英語ネイティブとの会話に格闘しながら
マンガENGLISHを活用されている方が
増えていらっしゃいますので

今日のテーマは
「ネイティブ英語と日本人英語の違い」です。

一般の方をターゲットにしてしまうと
いろいろと問題があるので

たまたまYouTubeで見つけた有名人の「日本人英語」で
みなさんとディスカッションしたいと思います。

石田純一さんの娘、すみれさんをご存知でしょうか。

7歳から22歳までハワイ~アメリカの学校で
優秀な成績で過ごしたバイリンガルということで
知られていますので

皆さんの中には
「え?、すみれさんはネイティブ英語でしょ!」
と思われた方も多いと思います。

もちろん次元は全然違うかもしれませんが

私たちと同様
英語ネイティブとの会話に戸惑いながら
英語を使っている方とお見受けしました。

これからご覧いただくYouTube動画
「すみれ、キャストに見どころ質問!米ドラマ「GOTHAM/ゴッサム」キャスト来日会見」

この動画の中で、すみれさんは
米ドラマ「GOTHAM/ゴッサム」のキャストに

「この映画の見どころは?」を英語で質問しています。

その動画を見る前に、あなたに質問です。

「この映画の見どころは?」を
英語ペラペラのすみれさんは
英語で何と言っていると思いますか。

・・・

とっさには浮かばないかと思いますので
ちょっと質問を変えてみます。

「この映画の見どころは?」を
英語ペラペラのすみれさんは

英単語いくつで表現していると思いますか?

50語以上?
10~50語?
5~10語?

「この映画の見どころは?」を
すみれさんは、英語で
こんな風に話しています。

この動画の「4:30」あたりから注目して
単語数を数えながら見てください。

英単語いくつくらいでしたか?
わかりやすいように書き出してみました。

So this is the question for all of you, first of all, what’s … I mean I really know it’s an amazing show I already know and everybody knows; but what do you think? … is the best part of the show or what we should be looking for the show to be enjoyed any more…

なんと50語を軽く超えていますね。

なぜ、すみれさんは、こんなにたくさんの言葉で
「この映画の見どころは?」を説明しなければ
ならなかったのでしょうか?

もちろん「この映画の見どころは?」の日本語に
ズバリ当たる英語はありません。

なぜなら日本語の「この映画の見どころは?」には
英語の主語も動詞もないからです。

その主語と動詞を模索して
前置きが長くなったのでしょう。

だってすみれさんの質問の前半部分は
So this is the question for all of you, first of all, what’s … I mean I really know it’s an amazing show I already know and everybody knows; but
(この質問はお二人ともにお聞きします。最初に、つまり、私は本当にこのショーがどんなにすばらしいかを知っていて、もちろん、誰でもそう思うわけで、でも・・・)

「この映画の見どころは?」とは
直接関係ない話ですから。

そのあとでようやく
What do you think the best part of the show?
(あなたたちはこのショーの一番いいところは何だと思いますか)

「この映画の見どころは?」にあたりそうな表現が
出てくるわけなのですが

このすみれさんが思いついた
「この映画の見どころは?」になりそうな英語
“What do you think … ?” は

ネイティブにとっては
(オレに訊く前に)「そもそも君はどう思ってるの?」って。

すみれさんも何度かやり返されたことのある
苦い経験のある表現なんですね、たぶん。

私もさんざん経験しましたので、わかります。。。

だからその前に
“I really know it’s an amazing show I already know and everybody knows…”
(私は本当にこのショーがどんなにすばらしいかを知っていて、もちろん、誰でもそう思うわけで)
なんて言っちゃったんですね。

それなのに・・・

これだけ言葉を重ねたのに
そのあとに帰ってきた彼らのコメントは
映画の見どころのアピールにはなっていなかった。

この場合、すみれさんはゲストだから
全然いいんですけれど

もしこれがインタビュアーだったら大失敗です。

だからプロのインタビュアーたちは
事前にその作品のことを調べて
具体的な質問をするんですね。

私たちはプロのインタビュアーではないので
プロの通訳レベルの質問は
必要ないしチャンスもないと思いますが

そもそも英語には「この映画の見どころは?」的な
一般的な聞き方ってないのでしょうか?

って気になる方もいると思いますので
それを考えて本日の締めとしたいと思います。

もちろん、いくらでもあるでしょう。

と言うのも「この映画の見どころは?」
このままでは英語にならないんです。

主語と動詞を決めないと英文になりませんから・・・

だからネイティブ100人に聴いたら
100人違う表現になると思います。

みなさんも考えてみませんか?

私も考えてみました。。。

What is a proper introduction on the work other than just saying like “Go see the movie?”
「とにかくみてごらんよ」と言う以外に、この作品を紹介する良い言い方って、何かありますか?)

みなさんも考えてみてください。

そして何か思いついたら、ぜひ

マンガENGLISH100ユーザー様専用
サポート掲示板に書き込んでみてください。

マンガENGLISH100サポート掲示板

私たちが日常的に使う日本語のフレーズは

そのほとんどが
英語で言うところの主語や動詞がないものです。

それをあれこれ考える頭の体操を
ことあるごとにしていると

いざというときに
応用というか機転が利くようになるんですね。

英語圏に住んでいる方は
毎日がサバイバルで
とにかくネイティブ英語を聞いて覚えよう

と必死だとは思いますが

ある程度の年齢から後付けで英語を習った私たちが
英語を話すときの思考の整理は日本語になりますので

頭の中に浮かぶ日本語と折り合いながら
自然な英語を発することが必須ですので

普段から時々ふと頭の中に浮かんだ
自然な日本語のフレーズを

ことあるごとに

ネイティブにもわかりやすい英語でいうとしたら
主語は何にしようかな?動詞は何にしようかしら?
などと考えることが趣味のようになるまで

頭の体操を繰り返してみてください。

ただその時に
自分の中にある程度

英語らしい音の並び
いわゆる英語ネイティブの音の蓄積がないと

辞書を引くか翻訳機能を使うことしかできないままで

そうすると、たとえば「この映画の見どころは?」を
英語で言おうとしたときに

辞書で「見どころ」と調べると “highlight”(ハイライト)
とありますので、それを暗記していても

会話では失笑を買うだけ、なーんて、もったいないです。

単語を暗記して文法的に組み上げて話す、という
今までの学習法から早く自由になって

まずは英語らしい音の並びを
脳に経験させてあげてください。

実は今まで私たちが触れてきた
英語のテキストは

中学・高校の英語の教科書や
ラジオ・テレビの英会話テキストや
本屋さんで販売されているフレーズ集など

そのほとんどが

日本語のセリフを英語に訳したもの

つまり

日本語の発想で書かれた英文にばかり
触れてきたので

「自然な英語の並び」をほとんど
知らなかったんですね。

マンガENGLISHは

英語ネイティブによって書き起こされた
100%ネイティブ英語です。

その英語のストーリーを
英語のまま訳さずに
プロの漫画家が漫画ストーリーにしました。

ナレーションも全員
英語ネイティブによる録音です。

どうぞ安心して
英語の海に浸ってください。

今までの英語教材では経験できなかった

ネイティブ英語を英語のまま
英文テキストも日本語の訳がなくても
ダイレクトに脳に届く経験を

ぜひあなた自身の脳で体験してください。

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英文法 – もったいない2つのこと

文法の学び方には
大きな落とし穴があって

文法は大切ですが

習う順番を間違うと
2つ、もったいないことになります。

1つ目は発音です。
2つ目は話し方です。

その典型的な事例に出会いました。

YouTuber「バイリンガールChika」さんの動画で

この動画の1:10あたりから
高橋さんという方の話す英語をお聞きください。

YouTubeのコメントの中にもあるように
高橋さんが話した日本語の内容については
称賛の声が多数上がっていますが

高橋さんの英語についてのコメントがほとんどなく
時折あるコメントが「発音が残念」な理由は

文法に注力し過ぎると発音に影響が出るんですね。

音という感覚的な情報よりも

文法について認識しやすい
「英文を読む」時間が多くなりがちで

英語を話す際に
言葉を発する直前に頭の中で英文を走らせて

それを読み上げるような情報処理になりがちなので

発音がフラット(平らで抑揚があまりない)
になってしまう。

さらに文法を大切にしていらっしゃる割に
文法のイージー・ミスがあります。

TOEICで満点を取るような人が
どういうことでしょう?!

これは英語を「文法から」習ったために

文法のチェック機能が

「本来とは逆に働く習慣」が身についてしまった
典型的な事例です。

文法のチェック機能は本来

言葉を「使いながら」
あるいは
言葉を「使った後で」働くものです。

私たちが日本語で話す時に

声を出す前に頭の中で文を作ったりしないでしょう?

ところが英語においては

文法から習って
そのルールに従って文を作る

という学習を続けてきた私たちは

英語を話す時には
頭の中で英文を作ってから話してしまう。

だから文法のチェック機能が
言葉を使う「前」により多く働いて

言葉を使った「後」ではうまく機能しない
という
逆転現象になってしまう。

本当にもったいないですね。

おそらく自己紹介の前半は
予め暗記していた表現を
一気にまくし立てたような感じで

後半になって
緊張がほぐれたのか

その場で思いついたことを
話し始めたような感じですね。

YouTubeには字幕がついているようですが
(当然のことながら)修正してありますので

発した英語をそのまま書き出して
コメントを加えさせていただきました。
※このようなサンプルは貴重なので感謝です

自己紹介の最後に

She likes to play Doctors and Nurses you know sticks of toy needle into my arm and I scream like a child, “Ahhh.”
「娘は、お医者さんごっこが好きで、おもちゃの注射針を僕の腕にさす真似をして、僕は痛いふりして叫ぶんだ」というようなことをおっしゃっているのは伝わるのですが

She likes to play Doctors and Nurses
「お医者さんごっこが大好きで」の後は

主語も動詞もなくなってしまいます。

主語は前半のsheをそのまま共有するとして
せめて動詞の“insert”くらいは必要だし

“insert”を現在形のまま使うと
3歳の娘さんがコワイ感じになるので

私だったら
“she is trying to insert a toy needle”
「おもちゃの注射針を刺そうとして」くらいで表現したいです。

“I scream like a child”は

動詞が“scream”の単純現在形のままですと
いつも叫んでいます、と言う感じですね。

以前に話題になった「号泣議員」のように
「わ~」っと叫ぶ感じです。

私だったら“I would be screaming.”くらいで表現したいな
と思ってしまうのです。

そうすれば
子ども相手にわざとふざけて恐がっている

おとなの表現としていい感じがします。

あくまでも個人の意見ですが。

もちろんご本人はもとの英文のままで
満足されていらっしゃると思います。

私は、それがもったいないと思ってしまうのです。

「文法から」習ってしまうと
「文法的に正しい英文を作る」ことが「ゴール」で

文法的に正しければいい
というところで満足して

英語のレベルというか
「表現力のレベルが止まってしまう」のが
「もったいない」と思うのです。

今回の記事を通して
私が言いたかったことは

文法はもちろん大切ですが
学ぶ順序が大切だということ。

ポイントは2つです。

1.音から習う
2.英語を使いながら文法をチェックする

文法から習うと
英語を話す時の発音が機械的になってしまいます。

ネイティブの英語の音を聞いて
自然な音の並びをたっぷりと経験することで

自然な音の並びか
不自然かを判断できるようになります。

それこそがネイティブの英文法です。

さらに「使ってから」文法ミスをチェックする習慣
が身に付くと

私たちが日本語を
英語ネイティブが英語を

それぞれ話しているときと同様に

発しながら修正する」という話し方が
できるようになります。

私たちがマンガENGLISHを使って

漫画イラストで場面を感じながら
何となく思いつく英語の音を発してみた後で

リピートとリプロダクションを通して

自分が発した英文と
お手本との「誤差」を「埋める」練習。

まさに英語ネイティブと同じ

英語の「音で判断して」
「音だけで修正する」という話し方。

この話し方が身に付けば

英語を話す時に

あらかじめ暗記して話す、とか

いちいち頭の中で英文を作ってから話す

などという不自然な話し方から解放されて

場面の中で浮かぶ英語フレーズを並べて
話しながらフレーズを増やしたり直したり、という

自然な話し方ができるのです。

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単語より、文法より大切な Discourse とは

宇多田ヒカルさんといえばアメリカ生まれアメリカ育ちで英語がペラペラというイメージを皆さんお持ちかと思います。

7~8年前に宇多田さんの全米進出が話題になったことがありその当時アメリカのメディアにも出ていらっしゃいました。

その時の映像がまだYouTubeに残されていましたので今日はそれをいっしょに見てみましょう。

4:30 のあたりから注目してください。

女性キャスターが朝早くスタジオ入りしたときにすでに宇多田さんのファンがスタジオの外に集まっていたことを話題として取り上げます。

そしてアメリカで生まれ育ったヒカルさん歌手としては日本では有名ですが

アメリカでもたくさんのファンが集まっていることに驚きを隠せない様子でインタビューをします。

What’s your secret of your success?
(この成功の秘訣をあなた自身はどう思っていますか)

と女性キャスターに質問された宇多田さんの答えはなんと

宇多田さん:I have no idea.(わかりません)
If I know it, I’m telling you.
(もし、知っていたら話したいです)

もったいないですね。。。

宇多田さんの答えはおそらく日本人にはありがちな
(「成功の秘訣は」聞かれた際の)照れとか、気恥ずかしさなど言葉にはできない率直な気持ちを表現したもので

日本では受け入れられるかもしれませんが残念なことに英語での答え方としては受け入れられません。

実際、このインタビューで二人のキャスターは宇多田さんの答えをいったんは笑いで流しますが男性キャスターがすかさず
“But you have something.”(でも何かあるでしょう)と食い下がり

ベテランの女性キャスターは「歌で言いたいことを表現しているのよね」などと言ってフォローをしてくれたのに

その後の宇多田さんのコメントは「みなさんに共感していただけてうれしいです」というようなコメントに終始しています。

すると女性キャスターはすかさず、まるで(これ以上この子と話していてもしょうがないわ)というような表情で男性キャスターを伴ってスタジオの外へ出てしまうのです。

発音もきれいで文法もしっかりしているのにもったいないですよね。

言葉には発音や文法よりももっと大切な要素があります。

それは「自然な話し方」です。
談話=discourseディスコース)と言います。

言語によって自然な談話にはそれぞれ特徴があります。

日本語では自分の発した言葉を相手がどう思うかを念頭に置いているのに対し

英語では

自分が何を伝えたいのかを基本としているので英語を話す時には相手が自分のことをどう思うか、よりも

自分が何を伝えたいかを大事にした方が伝わりやすくなります。

例えば、もし私が宇多田さんだったら
What’s your secret of your success?
(成功の秘訣はなんだと思う)という質問に対して、

自分の生い立ちを背景にこんな風にアピールしたいです。

I was born and raised in New York. My first language is English. My parents, they are Japanese, talk to me in Japanese. I am immersed in two cultures, speak two languages. The two languages support, reflect, and complement each other. That makes my songs win sympathy of many.

(私はニューヨークで生まれて育ちました。ですから私の母国語は英語です。その一方で私の両親は日本人ですから日本語で私を育てました。つまり二つの文化に浸り、二つの言語を話します。二つの言語が互いを支え合い、反映し合い、いい感じにバランスが取れています。それが私の歌に多くの人が共感してくれる理由かなと思います。)

宇多田さんはご両親が日本人で家庭内では日本語を話していたので母語である日本語の談話をベース英語を話しているのでしょう。

私たちの環境も似ています。

私たちが今までに触れた英語は学校の教科書や英会話のフレーズ本など

そのほとんどが日本語で書かれた原稿や素材を英語に訳したものが多かったので英語の談話の経験まだまだ足りません

マンガENGLISHは100タイトルのストーリーすべてが英語ネイティブによる
完全書き起こし。

これを見て、聞いて、まねて英語の談話をたっぷりと“体験”してください。

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もったいない英語

興味深い動画を見つけました。

オリンピック招致のための英語スピーチの中で、当時の都知事だった猪瀬直樹さんが東京の安全性について英語で言及するというワンシーンがありました。その中で、「東京はものすごくいいところ、あなたが何かなくしものをしても、多くの場合手元に戻ってきます、たとえそれがお金であっても」というようなことをおっしゃったんですね。ほぼ直訳に近い形の英語で。おそらくこれは、日本語の原稿が元にあって、それをもちろん専門家の指導のもと、英語に直してのスピーチだったと思うんですけれども、これがね、なんとも不自然な英語になっているというか。

文法や発音の問題ではないんです。猪瀬都知事は、そこらへんの民間人ではなく、あくまで東京都の都知事という立場で「東京はいい場所安全な場所ですよ」って事をアピールしたかったのだと思うんですけれども、そもそも英語ネイティブはこういう話し方をしないわけなんです。

何が問題かというと、「東京はいいとこなんですよ、もし落し物をしてもそれがお金であってもね、戻ってくるんですよ」という言い方は日本語としては完璧ですよね。日本人同士だったらその感覚を共有できる。けれどもこれを英語でそのまんまきちんと訳そうとすると、いくつか問題がでてきてしまう。具体的にはまず主語を何にするかによって、誰がそれをそう考えているのかっていう事を明確にしなきゃいけないし、そして動詞の時制をきちんとしてあげないと、文章が成り立たない。いつもそうなのか、時折そうなのか、そうでありたいと思っているのかって。

英語ネイティブだって、いつもそんなことを意識して文章を組み立てているわけではないんです。じゃあどうするかっていうと、例えばそういう事を伝えたいなと思ったとしたら、猪瀬都知事がしたように、一般論を語ろうとするのではなくて、メンバーの中で誰か知り合いでお金拾ってもらってうれしかったという経験した人いないかって聞くんです。そしてその経験を話す事によって、一般論にしないで物語るという手法を、英語ネイティブはこういう時にとるんですね。

いきなり一般論で話を始めて終わるっていう事は逆にここにすごく負担がきて、ましてや都知事のようなこういう公の立場で発言したら、それは保障してくれるんですか?東京都で?みたいな突っ込みをしたがる人なんかもいるかもしれないので、それを考えたらやっぱりそこで重圧をかけるよりは一つのエピソードをあげて、その彼女が落とした財布が戻ってきてすごい嬉しかった、東京ではそういう事が起きるんですよっていうアプローチであれば、そういったリスクも避けられるんですね。

結局、日本語で考えてそれを訳してそして文法的に組み上げてっていうやり方のいきつくところが、通じない英語というか、通じるかもしれないけどちょっとおかしい英語っていう感じになってしまって、私としてもこれだけの立場の方で、おそらくこれを準備するにあたって、まず誰かに訳してもらったでしょうし、スピーチの練習もしたでしょうに、どうしてこういう感じなんだろうと思ってみてたんですけれどもね。

ただ、猪瀬さんみたいにあんまり気張らないで本当に等身大の英語を話す事が、正解の場合もあるんですね。ビジネスにおけるプレゼンなんかはその例です。プレゼンが終わるとQ&Aがありますよね。何の準備もなく質問されて、そして準備がなくその場で答えなきゃいけないので、プレゼンはうまくいってもQ&Aの段階で英語力が全部出てしまう。だから、はじめから背伸びしないで、自分のレベルを俺はこのくらいだから加減してくれっていう合図にしてしまうっていう。その後のパーティートークもありますしね。プレゼンの後のちょっとした会合の時にテーブルに寄ってこられてフランクに話かけられても、とってもわからないっていう事が起きるといけないので、あえてあのくらいで意識的にするっていうのも一つの手段かもしれないです。だから周りも特に止めなかったっていうのはあるかもしれませんね。

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