『マンガENGLISH』はマンガと英語のフレーズを同時にインプットすることにより、訳さずに英語のまま理解する「英語脳」を育成するプログラム。英語のフレーズと、その意味内容を表すマンガで、ネイティブスピーカーのように自然に英語を身につけることができます。

アメリカの映画を「聞き取りたい」

子どもの頃や若い頃に流行っていた歌を、自分が大人になってから聞いてみると当時、思っていた内容とは全然ちがっていたり、改めて、ああ!こういう意味だったんだ!と気づいたりする、という経験はありませんか?聞いているのは当時も今も同じ歌なのに、印象が全く違って聞こえるというのは、当時は知り得なかった体験や感情が、今の自分には備わっているからではないでしょうか。

子どもに絵本を読ませてみると、棒読みの時期っていうのがあるんですね。それは、文字だけを追いかける時期で、意味までは感情移入できていないけれど、文字とその音を記憶の中から引っ張りだして結びつける時期であり、これは言語習得のプロセスのなかにおいて、未熟だけれども重要な過程なんですね。大人にだって、日本語でもいまだにあると思うんです。人が言った言葉を、咀嚼するために一旦相手の言葉を繰り返してみて、ああ、こういうことかって判断する。その音だけを判断するときって、音調が不自然になるものなので、英語力が不足していると判断せずに、自然な言語を習得する大事なプロセスなんだって受け止めて育んでいただくと、さらにそこがまた豊かになっていくんです。

その第一歩になるのが、マンガENGLISHのStep1のシャドーイングの活動で、自分自身が感情移入しながら出している声なのか、とりあえず音を取り込んで出すというところで、いっぱい一杯になっている状態なのか、を判断してみましょうということです。それによって優劣をつけるとか、良し悪しをはかるものでもなくて、今の自分の状態を大切に、すべて事実として受け止めてあげると、必ずそこが育っていきますので、自分で発している音を自分で聞きながら話すことを意識してみてください。日本語でも、興奮しているときはなかなかそうはいかないんですけれど、落ち着いた精神状態で誰かに何か自分のことを話そうと思ったら、自然と、自分の発しようとしているメッセージと声の調子や選んでいる言葉が合っているかを考えながら話しているはずなんです。英語もそのようにしましょうなんて、今はとても考えられないと思うんですが、そのための重要なステップになってくるので、現状の自分の声をしっかりと聞き、またそれを受け止めてあげる。

これができるようになると洋画も楽しめるんです。アメリカ映画などを「聞き取りたい」という方が多いですが、自分で絞り出すようにして声を出した経験がないと、感情移入して映画をみて泣くっていうところまでいかないと思うんです。日本語で映画を見て泣くのは、同じような場面でわたしもこういうこと言ったなとか、言いたかったなって思うから泣くんであって、絞り出すような気持ちのなかから声を出すっていう経験を1回でも2回でもいいので、英語でも脳にさせてあげないと洋画を本質的に楽しむということはできないと思うんです。

自分の中から出てくる声というのを大事にしながらも、口先だけで出している声の時期というのも大事に受け止めていただければと思います。元々英語の知識が高い人ほど、シャドーイングはなんとなくやっているけれども、頭の中で日本語の解釈をしながら声だけぶつぶつ出している状態では、会話力までにはつながっていかないので、それよりも、自分の声を聞いて、音を聞いてあげるという感覚になると、訳す暇がなくなってくるはずなんですね。

この感覚を大事にしていただくと、これまでに学習してきた英語の知識と、マンガENGLISHでの学習ステップが相まって、ある日ストン!とわかる、使える、という実感がちょこちょこと起きてくるようになりますので。その日を楽しみにしつつ、温めていけたらと思います。

むかし流行っていた歌を、大人になった当時の歌手が「あの人は今」のような企画で歌っていたりすると、全然印象の違うものになっていたりしますよね。これもやはり、その歌手自身が色々な経験をしたから歌に重みが出ているわけです。10代のアイドルが失恋ソングをいくら上手に歌っても、心に響くまでの説得力はなかなかでてこない。英会話でもおなじ。通じる言葉、伝わる言葉で話したいと思ったら、ぜひ、時には自分の出す音、声に耳を傾けてみてくださいね。

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