『マンガENGLISH』はマンガと英語のフレーズを同時にインプットすることにより、訳さずに英語のまま理解する「英語脳」を育成するプログラム。英語のフレーズと、その意味内容を表すマンガで、ネイティブスピーカーのように自然に英語を身につけることができます。

「日本は時間を守ります」を単に直訳して “Japan keeps time.” と言ってしまった

国連で英語スピーチも 小泉大臣が外交デビュー

という見出しが気になって思わずクリックしてしまいました。このニュースの前半は日本語での解説ですが【2:50】あたりから小泉さんの英語でのスピーチを聞くことができます。

ニュースの解説によると、『他国の演説が持ち時間の3分を超えたことをネタにして「日本は時間を守ります」と笑いを取ろうとした』とのことですが、会場の様子をカメラがとらえていますが、全くウケていませんね。

その理由は、小泉さんは「日本は時間を守ります」を単に直訳して “*Japan keeps time.” と言ってしまったから。”keep time” は「(時計などが)時間を正確に刻む」という意味になるので、 “*Japan keeps time.” は滑稽な英語です。だから会場にいる多くの人たちからは失笑が起きてシーンとなってしまったんです。

「時間を守る」という意味で使う場合は、まず人を主語にして、さらに「人+ keep good time」のように “good” や “perfect” のような形容詞を加えた方が自然で、もし、どうしても “keep time” を使いたいのであれば、せめて主語を “Japan” ではなく人を表す “Japanese”(日本人)にして、”Japanese keep good time.” のように表せば、英文の完成度としては少しはマシだったのですが、それでもこの文を使うことはお薦めしません。まずジョークとしては受け入れられないと思います。理由はそのままの意味でちっとも面白くないから。それよりも大切なことは、特に国際的な場面では、人種を主語にした言い方は、ある種の人種差別と受け取られるリスクが高いので、いずれにしても使わない方が無難です。

それよりも、『他国の演説が持ち時間の3分を超えたことをネタにして「日本は時間を守ります」と笑いを取ろうとした』のであれば、例えば “Trains are running on time in Japan.”(日本では鉄道は時間通りに運行していますよ)のように、例え話で伝えた方が大人のジョークとしてはおすすめです。

この動画の後半【4:14】あたりからの「環境問題は楽しく、クールに、セクシーに」の言い回しは、特に「セクシーに」というのは日本人にとって政治とはおよそ関係のない不適切な発言、と捉えられて、ネットではちょっとざわついているようですが、欧米では、政治の演説で時々使われる言葉で、小泉さんは、その演説の一部を借用したようですが、過去の事例では「セクシー」の発言者はいずれも女性の議員だという事で、そのあたりを認識して笑いを取ろうとしているようには思えないので、やはり残念な英語になっています。

今回はいろいろと外しちゃったとは言え事前に準備をして臨んだスピーチだと拝見しましたが、小泉さんの英語力は本当のところどれくらいなのだろうと興味がわいて検索してみたところ、こちらのYouTube動画の【1:16:30】から注目していただくと、質問に対して答える場面で、小泉さんのリアルな英語を聞くことができます。

自身で「ジャパニーズ・イングリッシュ」だと言い訳というか、開き直っているだけのことはあって、日本語をそのまま訳しながら話している感じ。もちろん日本人が英語を話すのですから、日本語で考えながら英語を話すのは当然のことなのですが、日本語の談話のまま直訳しているので、結局、何が言いたいのかが、相手には全く伝わらないのです。もったいないですね。

どうせ英語で話すなら、英語の談話通りに、いつ、だれが、どこで、何を、どうした、という所謂5W1Hを盛り込んだ話し方を練習しないと、日本語で考えたそのままで英語に訳してもダメなのです。ちょうど直前のスピーカーMichael J Greenさんからは、小泉さんの父とブッシュ元大統領との具体的なエピソードを取り上げたり、平成のころはあまり重要視して来なかった中国や朝鮮との外交上の問題点、さらには出生率の低下と高齢化社会へ向けての課題などを、新しい時代の令和ではどのように対応していくつもりなのか、と具体的な問題の提示があるのにも関わらず、小泉さんの答えは、日本人にありがちな抽象論に終始してしまっている。本当にもったいないことです。

英語ネイティブの子どもたちは幼児期に「Wordless Picturebook」という『文字の無い絵本』を使って、絵を見ながら「いつ、だれが、どこで、何を、どうした」という5W1Hを盛り込んだ話し方を練習しています。

もし小泉さんのようなジャパニーズ・イングリッシュを卒業したいのなら、英語ネイティブの子どもたちのように、絵を見て説明する練習を英語学習に加えてみてください。絵を見ながら「いつ、だれが、どこで、何を、どうした」と具体的に話をする習慣が身につくと、ネイティブとの会話がさらに有意義で楽しいものになりますよ。

もちろん英語ネイティブの子どもたちも、いきなり話すことはできませんから、まずは絵本の読み聞かせから体験しましょう。

漫画イラストで場面を感じながら、漫画を見て、英語を聞いて、まねる、だけ。スマートフォンで学ぶことができますので、スキマ時間を有効活用できます。通訳を養成するトレーニング法を活用しますので、確実に力が付きます。

単語やフレーズをたくさん暗記しても、文法を学んでも、留学しても超えられなかった「ジャパニーズ・イングリッシュ」から今度こそ卒業して、ネイティブのように英語を自然に話しましょう。

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